②念願の崎津集落を巡る ~ ★隠れキリシタンの旅
前回、入り江越しに見えた「崎津集落」いよいよ、その中に入っていきます。
崎津集落のシンボルともいうべき教会。
この崎津で、隠れキリシタンの歴史を一杯学べました。
◆ 崎津カトリック教会 ◆
静かで、ひなびた集落の中にひっそりと佇んでいる教会ですが・・・・
そこには悲しい悲しい歴史があるのです。
実はこの場所、キリスト教禁止令の中、イエスキリストの絵を「絵踏」をさせられた場所なのです。
よく私達は、踏絵(ふみえ)といいますよね。
踏まれる絵の事を「踏絵」といい、キリストの絵を踏ませる事を「絵踏」と言うのです。更に言うと、それは「絵」ではなく、銅板のような物に彫られていた絵のようです。
その「絵踏」は、吉田庄屋役宅で行われたそうです。
キリスト教解禁となった時、まさに「絵踏」が行われていたその場所に祭壇を置き、この教会を建てたようです。吉田さんも快く提供してくれたそうです。
ここに教会たてるよ~~!!って建てて下さった神父様がハルク神父様です。
人っ子一人いない静かな教会でお祈りをささげ、次はすぐ目の前にある資料館に行きました。
◆ 崎津資料館みなと屋 ◆
ここは以前は旅籠だったそうです。リノベーションして今の資料館にしたようです。
ここでは、無料で館内資料の解説をして頂けました。そのお話が大変貴重なもので、
なぜここ一帯が世界遺産に登録されたのか、そんな説明もされました。
*まずは、この大きな貝殻を見て下さい。
解説にありますが、貝殻の内側の凹凸の模様がマリア像のように見えることから、
こういった物を「信心具」として使い、崇めたり、祈りの時に使ったりした訳です。
何しろ「キリスト教は禁止」されているわけです。十字架やらマリア像やらが見つかると死刑(本当に死罪だったんです)になってしまうのです。
苦肉の策で、何か代替品を作ってそれを信心具として扱ったのです。
ここは、海沿いの漁師の町です。よって、このような貝殻などが用いられたそうです。
(貝殻の凹凸がどうマリア像に見えるのか、色々な方が見ると色々に見えるそうです。ちなみに私は赤ん坊を抱いてるようなお姿に見えました)
*次はこの「ウマンテラさま」という像を見て下さい。
こちらは、崎津の隣村から出土された石仏です。
びっくりなのは、この石仏は(道祖神みたいですが)西洋によく見られる絵画で、
”背に翼が広がり、剣を手にして悪魔(サタン)を打ち倒す姿”で描かれている絵が
原型となっているのです。 ↓これです。
石仏の「ウマンテラさま」は、何となく可愛い道祖神のような風情ですが、
いやいやよく見ると、足元は、サタンの上に立ち、仏様の背中には羽がついています。
更に手には剣のような物を持っています。
紛れもなく、サタンを剣で成敗している、大天使ミカエルそのものなのです。
すごいですねぇ~~!! 日本風にアレンジして石仏にしたんですね!
お祈りをする隠し部屋。柱をくり抜いて、その中に信心具を隠したり・・・
禁止され、弾圧されようとも、彼らなりに必死にその信仰を守り継承していこうとするその強い信仰の力が、本当に心打たれます。
禁止されたキリスト教の環境の中、宣教師も神父も誰もいないまま、200年にも及ぶ禁教時代を独自の形で地元の者達だけで信仰を守り続けた! このような事例は、世界中他にどこにもない! その希少価値が認められて、世界文化遺産に登録されたそうです。
本当に小さな小さな集落なんです。 観光地といった雰囲気もありません。
崎津集落を後に、海岸沿いを走ります。
すぐ先には海が広がっています。
◆ 海上マリア像 ◆
崖の先端にマリア像が見えます。
もう一つ行きたかった
◆ 大江カトリック教会 ◆
白亜の美しい教会でした。
撮影禁止のため写真がありませんが、教会の中の半分位に畳が敷かれています。
ミサの時などは、皆さんその畳の上に座られるようです。
そんな事も、ここ天草ならではの文化なのかもしれませんね。
世界中の子供たちがマリア様の周りに集う像。
世界が本当に平和になる日はやってくるのでしょうかね・・・
大江キリスト教会の、すぐ下に、「ロザリオ館」という資料館があります。
そこも沢山の資料があり、ビデオなども放映されており、大変興味深かったです。
最後に
隠れキリシタンを題材にした映画 『 沈黙 サイレンス 』 をご紹介しておきます。 結構衝撃的な映画で、目を覆いたくなるシーンもあります。
しかし、昔はこんな状況だったのだなぁ~と、胸が痛くなりました。
さて、次からはいよいよ、長崎に渡ります。
「天草四郎」とは、どんな人物か!? その辺りもご紹介させて頂こうと思います。